「人類最大の数学的発明」である複利の概念に沿った形で、なるべく長期間投資することによって、複利の力を働かせやすくすることはできます。
長期的な株式投資は、目先の小さな損益にはあまり意味はなく、長い運用期間の後半にこそ、複利の力が効いてくるのだと覚えておくとよいでしょう。
引用元: お金は寝かせて増やしなさい(水瀬ケンイチ 著)より
投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆されているインデックス投資家の水瀬ケンイチ氏の著書より引用。
かのアインシュタイン博士が複利の概念こそ「人類最大の数学的発明だ」と言ったエピソードがこの本に書かれている。
なぜアインシュタイン博士がそう言ったのか?
その具体例として100万円を毎年5%増える金融商品に投資した場合のシュミレーションが興味深い。
「単利」は利息を元本に入れずに計算する方法。
「複利」は利息を元本に組み入れて計算する方法。
「単利」の場合、10年間の運用で100万円が150万円に。
「複利」の場合、10年間の運用で100万円が163万円に。
10年間の運用だと劇的な「単利」と「複利」の違いはない。
しかしこれが100年後にはどうなっているのかというと、
「単利」の場合は600万円に。
「複利」の場合は1億3150万円!
このように長い年月をかければかけるほど「単利」か「複利」かで残酷なぐらい違いが出る。
今年、金融庁が老後資金は2000万円以上必要とのレポートを発表して大炎上した。
しかしこの複利の力を知っていれば、老後までに老後資金の2000万円を自分で作れる可能性が高いことが分かる。
老後資金2000万円を作るため、30年間の投資期間、5%の運用利回りで運用をした場合、毎月いくら積み立てれば良いか?を実際にシュミレーターで計算してみた。
すると毎月約24,000円の積立で達成できる。
これを見ても分かるようにiDeCoや積立NISAをフル活用し、真面目に働いて普通の生活をしていれば、老後資金2000万円は十分に達成できる目標だと思う。
恐らく金融庁もこのことを言いたかったのだろうが、「老後に2000万円必要!」の言葉だけが一人歩きしてしまったようだ。
複利の力を最大限に発揮するためには、運用期間の終盤に近付くほど複利の力が生きてくるので、運用成績が芳しくない時期でも我慢して投資を継続させることが重要である。