アルテリアネットワークス(4423)は独占禁止法違反の疑いのため、第三者委員会を立ち上げて事実関係を調査しています。
その影響のため7月1日に2019年3月期(本決算)決算を発表する予定だったのですが、1か月遅れの8月1日に先延ばしになっていました。
※2019年3月期有価証券報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ
(2019年6月27日発表)
https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/ac/20190627/140120190627463935.pdf
そして8月1日に2019年3月期有価証券報告書を関東財務局に提出し受理されたとのこと。
ようやく本決算の数字が確定されたので決算書の内容をざっくりと見ていきたいと思います。
それでは参りましょう!
2019年3月期:アルテリアネットワークス前期との決算内容の比較
- 売上高(百万円):49,219(前期比+3.4%)
- 営業利益(百万円):7,466(前期比-1.1%)
- 税引き前利益(百万円):6,987(前期比-2.2%)
- 当期利益(百万円):4,642(前期比+0.7%)
- 営業キャッシュフローマージン:21.6%
- 粗利益率:32.2%(前期と同じ)
2019年3月期:アルテリアネットワークス決算分析
損益計算書を見てみたところ、売上高は前期と比べて3.4%上がりました。
粗利益や販管費も前期とほぼ同じ。
ではなぜ売上高が3%上がっているにもかかわらず営業利益がマイナスになったのかというと、前期にはなかった株式上場費用と独占禁止法関連の損失引当金の費用が計上されているためでした。
上場関連費用が629百万円、独占禁止法関連の損失引当金が180百万円となっています。
そのため前期の費用と比べて2.4倍の増加です。
なのでこれがなければ営業利益もプラスでしたね。
それにしても独占禁止法違反の損失引当金の1憶8千万って高いのか、安いのか判断しかねます。^^;
売上高492億円の会社にとって1億8千万なら微々たるものでしょうし。
これぐらいの金額で丸く収まってくれれば会社にとっては勝ちも同然なのでしょうかねw
アルテリアネットワークスの来期予想は?
来期(2020年3月期)の会社側の予想は以下のとおりです。
- 売上高(百万円):50,778(+3.2%)
- 営業利益(百万円):8,372(+12.1%)
- 税引き前利益(百万円):7,912(+13.2%)
- 当期利益(百万円):5,119(+10.3%)
決算説明資料によると先ほど指摘した株式上場関連費用の計上がなくなるので、2ケタの利益成長率を予想しています。
費用面ではネットワーク設備の増強などで11%増を見込んでいます。
インフラ系の会社なので設備投資は重要です。
だからこれは致し方ないところ。
20年の配当性向は50%で一株当たり51.20円を予定しています。
※これらの数字は2019年5月に発表された会社側の説明資料より引用しました。
https://www.arteria-net.com/uploads/20190522-01.pdf
まとめ
株式上場後に独占禁止法の疑いのため、紆余曲折を得てようやく8月に本決算の有価証券報告書を提出できたアルテリアネットワークス。
そのため社内のコンプライアンスの強化が叫ばれていて再発防止策を制定したり、関係者の処分が行われました。
結果、無事に8月1日に有価証券報告書を提出できましたが、それまでの間、社内では阿鼻叫喚の日々を重役をはじめ社員のみなさんは送られたのではないと推察します。
しかし短期的には会社のイメージの低下および株価にマイナスな面がありましたが、今回の件を良い教訓として社内のモラル向上、第三者からの訴訟リスク回避に繋がれば今後の会社の成長にとって、そして投資をしている株主にとっては膿を出し切る良い機会だったと僕は思います。
今回もここまでお読みくださいまして、ありがとうございました。
以前に書いたアルテリアネットワークスの紹介記事はこちらです。