みなさん、こんにちわ。
今回の記事は米国株式市場の下落はまだ続くのか?について考えていきたいと思います。
5月20日付けの米国株式市場はNYダウが一時、節目である31,000ドルを大きく割り込む30,635ドルまで下落する場面があったものの、そこから切り返し大引けでは31,261ドル(+0.03%)でした。
ナスダックは続落、S&P500はほぼ変わらず。
週足ベースでみるとダウが8週連続、ナスダックとS&P500は7週連続での下落となり、ドットコムバブル崩壊の2001年以来の最長記録となりました。
ダウ、S&P500は史上最高値からほぼ20%の下落、ナスダックは史上最高値から27%の下落。
一般的に最高値から20%以上の下落で弱気相場入りといわれています。
ですので、これらをみるに残念ながら米国株式市場は弱気相場入りしたとみて良いと思います。
もしそうであるならば投資家にとって、この弱気相場はいつまで続くのか?が最も重要な関心事。
もちろん、これがわかれば苦労は無いわけですが、ここでは著名な投資家のひとり、ジェフリー・ガンドラック氏の考えをご紹介して読者のみなさんの参考にしていただけたらと思います。
ジェフリー・ガンドラック氏は株式投資家というよりか債券投資家です。
米国で最も有名な週刊投資雑誌バロンズが「新債券王」と称し、ブルームバーグが「マーケットに影響のある50人」に選んだ凄腕のファンドマネージャーで、彼の手掛けたファンドは世界のトップ2%に入る結果を残しました。
今回の米国株式市場の下落について彼はこう言及しています。
「市場はまだ無秩序にはなっていない。秩序が失われつつあるが、まだ無秩序ではない。完全な無秩序にならなければ底ではない。だからそれを待っている」
市場が無秩序になっていないとはどういうことか?
これを考える手がかりになるのがVIX指数(恐怖指数)です。
VIX指数とはざっくりというと、S&P500のオプション取引の数値をもとに投資家が今後の相場の見通しをどうみているかを数値化したものです。
数値が大きいほど相場の見通しを悲観的に見ているということになります。
下がVIX指数の実際のチャート。
こうしてみると2018年に起こったVIXショック時の株安、そして記憶に新しいコロナウイルス感染拡大での株安に比べて、まだまだVIX指数の上げ幅が足りていないことがわかります。
そしてこのチャートをよく見ると2018年、2020年ともVIX指数が急上昇してからのち、今度は一気に急下降して株価が安定したこともわかると思います。
ガンドラック氏が「市場はまだ無秩序になっていない」と言っているのは、このことも要因のひとつとしてあると思います。
米国はインフレの急速な上昇によって年金生活者や低所得者層など社会的弱者の対策を最重要課題としているので、株式相場の対応までは手がまわらない状態になっています。
そのためFRBのパウエル議長がなにか奇跡の一手を打ち出すか、コロナやウクライナ、中国など外的な要素に劇的なニュースなどが起きない限り、まだまだこの下落相場は続きそうです。
こうした閉塞感の強い現在の弱気相場のなかで個人投資家がすべきことは、利上げ局面に弱いハイパーグロース株の投資やレバレッジが効いた投機的な投資は避け、長期投資することによって、高い確率で資産を増やしてくれる可能性が高いインデックスファンドの積み立てをしつつ、ガンドラック氏がいう市場が無秩序になったときに買い出動できるキャッシュをできるだけ多く積んでおくことだと思います。
今後、ますます米国株が下がったら世の中の風潮は「米国株はオワコン」「いまどき米国インデックスファンドを積み立てているヤツはバカ」なんてことになるでしょう。
ですので、こういう相場の先行きが不安な時にこそ、自分の軸を保つ覚悟を持つことが大切だと思います。